赴くままに読書通信

読んだ本を自分なりにまとめるブログ

『読めば読むほど面白い『古事記』75の神社と神様の物語』由良弥生①

第1章 神々の誕生(1.天と地の始まり)

①イザナキとイザナミの誕生

天と地の始まりに現れた最初の神は天之御中主神*1

⇒自らが中心となって全体をとりまとめる

 

次に現れたのは、高天原(天上界)の創造神・高御産巣日神*2と、地上界の創造神・神産巣日神*3

⇒どちらも万物の生産・生成をつかさどる

 

4番目に現れるのは、生きとし生けるものに生命を吹き込む宇摩志阿斯訶備比古遅神*4

⇒地上がまだ水に浮かぶ脂のごとく海月のように漂っている時、まるで水辺の葦の芽が一斉に芽吹いてくるかのように現れる

 

5番目に現れるのは、天上界の永遠を守るという天之常立神*5

  • 以上の五柱の神々は「別天つ神(ことあまつかみ)」といい、天上界にいる神の中でも「特別な神」
  • いずれも性別の無い単独の神(独り神)であり、姿を見せない

 

6、7番目に現れる神は葦原の中つ国(地上界=日本の国土)の永遠をつかさどるという国之常立神*6と、大自然に命を吹き込むという豊雲野神*7

⇒この二柱の神も性別の無い独り神で、姿を見せない

 

次に男女一対の神が五組、つごう十柱の神々が現れるが、最後に現れる一対が、男神伊邪那岐神*8と女神の伊邪那美神*9

 天地が開けて最初に男女の営み(性行為)をするのがこのイザナキノ命とイザナミノ命の2人

⇒その結果、島々からなる日本の国土と大地を守る多くの神々が誕生する(「国生み」と「神生み」)

 

◆イザナキ・イザナミを祭神とする代表的な神社は「多賀大社

古事記』で国生み・神生みをやり遂げたイザナキが「淡海(近江=滋賀県)の多賀に坐すなり」、「滋賀県の多賀に隠棲された」という一文が記されている

多賀大社の他に、兵庫県の「伊弉諾神宮」、埼玉県の「三峯神社」などがある

 

◆神々の呼び方

  • 普通は一柱、二柱と呼ぶが、本書では姿を見せない神々以外は一人、二人と呼ぶ
  • イザナキ、イザナミが最初に現れた時『古事記』には「伊邪那岐神」「伊邪那美神」と表記されているが、その後は「神」が「命」に変化している

⇒天つ神(天上界の神)の命令で何らかのことをする場合に「命」がつけられるのではないかという説がある

  • 「みこと」と読む「命」「尊」はいずれも神や貴人の名前の下につける尊称、呼び方

例)「八千矛神の命*10」(=八千矛の神様)

⇒『日本書紀』では「伊弉諾尊」としている(最も貴いものに「尊」を使い、「命」はその他のものに使っていると言われる)

  • 祭神はその神社に祭られている神のこと

 

イザナキとイザナミを祭る神社「多賀大社(多賀神社)」(滋賀県

www.tagataisya.or.jp

 ※大社=神社を大・小(または大・中・小)に分けたうちの最高位をいう

延命長寿、縁結び、厄除けの神様としても祭られ、信仰を集めている(「国生み」「神生み」を行ったので「祖神(おやがみ)」といえるため)

 ※イザナキは伊勢神宮の祭神天照大御神*11の親のため、「お伊勢参らばお多賀へ参れ、お伊勢お多賀の子でござる」と歌われ、古くから「親子神様参り(親子参り)」が行われてきた

  • 鎌倉時代から江戸時代にかけて武家や民衆の間で信仰が一気に広まった

 

イザナキとイザナミを祭る神社「伊弉諾神宮」(兵庫県

izanagi-jingu.jp

  • 兵庫県淡路市多賀にある
  • 通称「いっく(一宮)さん」あるいは「いざなぎ(伊弉諾)さん」と呼ばれて親しまれている
  • 「国生み」神話で知られている最古の神社と言われる
  • 県指定天然記念物「夫婦大楠」がある境内地は広大で約4万3千平方メートルもある
  • 祭神は伊弉諾尊伊弉冉尊と表記されている

⇒『日本書紀』には、すべての仕事をやり遂げたイザナキは子のアマテラス大御神に国家の統治を委譲し、「国生み」で最初に誕生した淡路島の多賀の地に「幽宮」を構えて余生を過ごしたと記されている

 ※幽宮(かくれみや)=神霊が人前に示現することなく永久に鎮まる宮のこと

  • その幽宮跡にのち御陵(お墓)を構えたのが伊弉諾神宮の起源であるという

 

イザナキとイザナミを祭る神社「三峯神社」(埼玉県)

www.mitsuminejinja.or.jp

 ※造化=天地万物を創造する神のこと

 ※配祀=神社の主祭神にそえて、その神と縁故のある神を祭ること

  • 拝殿の手前には珍しい三ツ鳥居がある(三輪鳥居とも)

⇒一つの明神鳥居(最も普通にみられる鳥居)の両脇に小さい二つの鳥居(=袖鳥居)をつけた珍しい鳥居

  • 鎌倉時代修験道の道場となり関東各地の武将の崇敬を受けるが、14世紀半ば、足利氏を討つために挙兵して敗れた新田氏らが三峰山に身を潜めたため、足利氏により社領を奪われ衰退した
  • その後修験者によって再興され、江戸時代に入ると三峯講などにより庶民の信仰を集めたという

 

第1章 神々の誕生(1.天と地の始まり)①イザナキとイザナミの誕生 おわり

 

 

*1:あめのみなかぬしのかみ

*2:たかみむすひのかみ

*3:かむむすひのかみ

*4:うましあしかびひこぢのかみ

*5:あめのとこたちのかみ

*6:くにのとこたちのかみ

*7:とよくもののかみ

*8:いざなきのかみ

*9:いざなみのかみ

*10:やちほこのかみのみこと

*11:あまてらすおおみかみ