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赴くままに読書通信

読んだ本を自分なりにまとめるブログ

『部下を持ったら必ず読む「任せ方」の教科書①出口治明

第1章 上司になったら「任せるしくみ」をつくりなさい

いい上司への一歩―マネジメント能力の限度を知る

細かく指導できるのは「部下2~3人」まで

「人間の能力は、それほど高くはない」

「上司の管理能力は、せいぜい部下2~3人分である」

ことがわかっていないと、チームは機能しない

 

「この10人」を見れば、1万人を統率できる

「仕事のプロセスには細かく首を突っ込まない」ようにすれば、「10~15人の部下」を管理することも可能になる

 

100人分の成果を上げるために100人に仕事を任せる

会社はもっともっと儲けないといけない

「仕事を任せる」ことは、ビジネスを成長させるためにも、お金を稼ぐためにも非常に大切なこと

→稼ぎ続けなければ借金がかさみ、「いまの生活レベル」さえ維持できない

 

例)医療・年金

高齢化が進み、1年間で「1兆5000億円以上」のお金が新たに使われている

国を企業に例えてみると、来期は今期よりも「1兆5000億円以上、支出が増える」ことになる

→来期に「1兆5000億円以上の新たな収入」がなければ、会社(国)はどんどん貧しくなる

 

「人間的な豊かさ」も大切だが、「経済的な豊かさ」をないがしろにしてはいけない

→企業は「任せるしくみ」をつくることによりもっと強くなる

 

任せるしくみが「強い会社」「強い部署」をつくる

 経営は経営のプロに、業務は業務のプロに

「任せるしくみ」をつくると会社が強くなる理由

①経営と業務執行の分離が実現する

ダイバーシティ(多様性)への認識が高まる

③グローバル経済の変化に対応できる

 

日本経済を立ち直らせる(強い会社を作る)には、まず「戦後の日本経済の成功体験」をきちんと総括すべき

→戦後日本の経済的な復興は、特殊な要因の上に成り立っているため

 

任せるメリット①「経営と業務執行の分離が実現する」

(1)戦後の日本は、アメリカをロールモデルにして、アメリカに追いつくことが目的だった

(2)政府(中央官庁)が国民に要求したのは「余計なことは考えず、黙って働くこと」

→アメリカで「すでに結果が出ている産業政策」を、そのまま日本に取り入れるだけなので「考える」必要はなかった

(3)サラリーマンの所得がどんどんUP

(4)経済成長に比例し給料は10年でほぼ倍になるので、誰も会社を辞めようとしない

(5)辞めないので年功序列賃金になる

 

・生きのいい人材を求め、学生を早くから採用する(青田買い)

・今の仕事が嫌いでも給料が上がるから、会社を辞めなくなる(終身雇用)

・終身雇用なら、木依属年数に応じて役職を上げるのが簡単(年功序列

→「現場で優秀だった人が、経営に携わる」のが日本型経営の特徴だった

 

「名社員、名経営者にあらず」

「営業成績がトップだった」からといって、経営者としても優秀だとは限らない

→「名選手、名監督にあらず」は、スポーツのみならず、ビジネスの世界でも言い得て妙

 

強い会社をつくるためには、経営と業務執行を分離する

「経営は経営人材」に、「業務執行は社員」に任せるしくみが必要

 

「みんなで話し合って決める」はなぜ悪いのか?

「CEO」と「COO」の役割分担を考える

ライフネット生命では代表取締役2人の分担を明確にしている

・CEO…会社の「意思決定」に責任を持つ

・COO…会社の「業務執行」に責任を持つ

→「意思決定」と「業務執行」の責任を分ける(業務執行はCOOに任せる)ことで、透明で一貫性のある経営ができる

 

「決定権者が一人で決める」メリット

日本人は「みんなで話し合って、みんなで決める」こと(稟議制)を好む

→「みんなで決めよう」とすると、決定のスピードが損なわれる

 

【稟議制のデメリット】

・意志決定に時間がかかりすぎる

・責任の所在があいまいになる

→したがって、「決定権を持つ者が、一人で決める」べき

 

権限をハッキリさせるだけで仕事のスピードが上がる

 たとえば「100万円未満の仕事は、課長が決める」

取締役会での決定を「執行する役割」はCOOにあるが、すべての業務をCOOが一人で担うのは現実的ではない

→職責が下位の社員に権限の一部を委譲し、業務を分担する仕組みが必要

 

例)

・3000万円以上の支出を伴う事案は、取締役会で決める

・1000万円以上3000万円未満なら、COOが決める

・500万円以上1000万円未満なら、担当役員が決める

・100万円未満なら、課長が決める

 

決められた範囲内(権限内)であれば、職責上位者の承認は必要ない

→「自分ひとりの権限」で物事を決定できるようにすべき

 

「誰が」「何を」「どこまで」決定するのか

企業は、責任の所在を明らかにするためにも、また、意思決定のスピードを早くするためにも、「権限の範囲」を社員に周知すべき

 

「誰が、何を、どこまで(いくらまで)決定できるのか」

「自分が負う責任は、どこまでなのか」

 

といった「物事を決めるときのルール」をはっきりさせておかないと、仕事を任せる側も、任される側も業務に注力できない

 

「協議」と「同意」はまったく違う

「協議」とは、みんなで話し合う(相談する)こと

ただし、「みんなで話し合いをする」だけであって、「みんなで決める」ことではない

→「話し合いはするけれど、決定は1人で行う」のが協議のルール

 

事案の重要性や金額の大きさによっては、決定権者以外の者に「同意権」を与えておく方法がある

 ※同意権とは「拒否権」であり、公明正大な決定を下すために必要な権利。とても強い機能なので、乱発すると仕事が進まなくなる。同意見は「限定」することが基本

 

「課長の決定に、部長は口を出してはいけない」

あなたにはこの「権限の感覚」がありますか?

権限を与え、仕事を任せたあとの大事なルール

→ひとたび権限を委譲したら、その権限は「部下の固有のもの」であり、上司といえども口をはさむことは出来ない

 

「権限は、一度与えたら、あとから取り戻すことはできない」

「職責上位者だからといって、オールマイティではない」

「上司は、部下の権限を代行できない(不在時は除く)」

 

仕事を「任せる」側は、こうした「権限の感覚」を身につけることが重要

 

これからの時代にマネージャーに求められること

「毎晩飲み歩く社長が業績を上げた時代」があった!?

高度成長期とは、

「特別なことをしなくても、年8%の成長が見込める時代」

「言われたことをしているだけで、成長できた時代」

 

しかし、現在は社会構造が大きく変わっている

「何もしなければ、ゼロ成長」

 

・「社員としての優秀さと、経営者としての優秀さは違う」ことを知る

・「マネージメントはマネージャー(経営者)」に、「実際のプレイ(業務)はプレーヤー」に任せるしくみを構築する必要がある

 

歴代の経営者でもっとも優秀なのは、織田信長

「自分の頭で考える」ことが競争力の原点

→その点で織田信長は、稀有な才能を有していた(強い競争力と、経営者視点を持った戦国武将)

一方徳川家康は、常に家臣がかしずき、今川に捕虜になったときも家臣が周囲を固めていた(実際に町を歩いたことがなかったのかもしれない)

 

リアルな世界を知っているかどうか…これこそ、信長と家康の発想力の差になった

→ゼロ成長、マイナス成長の社会では、自分の頭で考える「信長型リーダー」が求められている

 

「会社を立て直すリーダー」の条件

関連会社をいくつも抱える大きなグループ企業だと、「本社の社長になれなかった人」が関連会社の社長に就任することがよくある

→関連会社の社長のホストは「権力闘争に敗れた人の処遇のポスト」になっている

 

関連会社の社長のポストは、

「本社の社長になれなかった人」ではなく、

「本社の社長になれそうな人」に任せるべき

→優秀な社員に関連会社の社長を任せてみて、実績を上げることができたら、本社の取締役として呼び戻せばいい

 

あえて「異質な社員」に仕事を任せる切実な理由

任せるメリット②「ダイバーシティ(多様性)への認識が高まる」

アメリカのコンサルティング会社「GMIレーティングス」は、世界各国の企業における「女性役員比率」を調査

・日本企業(447社が対象)の女性役員比率は「1.1%」

→世界最低水準(45カ国中44位)であることがわかった

 

・欧米の企業が「女性役員の登用」に積極的なのは、極論すれば「消費を支えているのは、女性」だからではないか

→性別や年齢、国籍を超え、多様な人材に「任せる」ことで会社は強くなる

 

これからの企業には、「異質な社員に顕現を委譲し、任せる」ことが求められている

 

サッカーがプロレス化した時代では、これまでのルールは通用しない

任せるメリット③「グローバル経済の変化に対応できる」

1980年代後半に起きた「東西冷戦の終焉」によって、日本経済は大きな影響を受けた

 

(1)自由経済市場でのプレーヤーの数が一気に拡大する

→東西冷戦が終焉するまで、自由経済市場は「日米欧10億人の間で行われるゲーム」だった

(2)ベルリンの壁が崩壊、ソ連がロシアに、中国が市場を開き、その後も東南アジア、インド、アフリカが次々と参入

→プレーヤーの数は「10億人から50億人へ」膨れ上がった

*プレーヤーの数が増えるとゲームのルールが変わる

 

グローバリゼーションとは「ゲームのルールが変わったこと」を意味している

→新しいルールを覚えて、新しい人材に仕事を任せて、これまでと違った戦い方をしなければ勝てなくなってしまう

 

『部下を持ったら必ず読む「任せ方」の教科書 

第1章 おわり